JRの運賃計算ルールは複雑すぎる


英語ページの「JR乗車券のルー ル」の運賃計算ルール紹介のために、旅客営業規則(旅規)の運賃計算ルールを読み直して、あらためてその複雑さに唖然とした。 ここまで複雑になったのは、1996年1月のJR北海道、JR四国及びJR九州(三島会社)の運賃改訂の結果であるが、それ以前に複雑化のルーツがある。 また、この運賃計算ルールによって、乗車券を目的地まで購入せず途中で分割したほうが運賃が安くなるという逆転現象が生じている。 この複雑な体系は簡素化すべきであると思う。
目次
運賃計算のルール
  • 対キロ制運賃
  • 対キロ賃率
  • 運賃計算の方法
  • 区間特定運賃
  • 加算運賃
  • 多岐にわたる運賃表
  • 図1 対キロ制と対キロ区間制
    図2 JRと大手私鉄の運賃比較
    表1 対キロ賃率
    表2 特定運賃設定区間
    表3-1 加算運賃適用区間
    表3-2 加算運賃区間特定運賃
    表4-1 適用運賃表(旅行がJR各社内または本州三社内で完結するとき)
    表4-2 適用運賃表(旅行が本州三社と三島会社にまたがるとき)
    複雑化のルーツ
  • 賃率の多様化
  • 地方交通線の運賃計算方法の差異
  • 電車特定区間内、山手線・大阪環状線内の低賃率
  • 区間特定運賃
  • 本州三社から三島会社にまたがる場合の加算額
  • 表5-1 賃率の推移(1949-1984)
    表5-2 賃率の推移(1984-)
    分割購入の問題
  • 問題の所在
  • 距離地帯制の運賃計算
  • 中央値を使用する運賃計算
  • 四捨五入方式
  • 電車特定区間内、山手線・大阪環状線内の低廉賃率と区間特定運賃の設定
  • 300キロまで一律の対キロ賃率
  • 表6 キロ刻みの推移
    運賃計算の簡素化への試案
  • 賃率の一本化
  • 擬制キロ換算率の多様化
  • キロ帯区分を小刻みに
  • 現行運賃との比較
  • 表7 営業キロから擬制キロへの換算率
    表8 現行運賃との比較
    急行料金体系はもっと複雑だ
  • 急行券の種類
  • 複雑な急行料金体系
  • 特急券の分割購入
  • 表9 特定の特別急行券・普通急行券
    表10 急行料金体系
    図3 新幹線の指定席特急料金(通常期)
    表11 新幹線の対キロ特急料金(指定席通常期)
    表12 新幹線の分割購入が有利な区間
    表13 在来線の分割購入が有利な区間
    参考文献


    運賃計算のルール

    旅規は、 77条から85条の3まで、対キロ賃率計算を基本とする運賃計算のルールを定めている。まずは、これをおさらいしておこう。

    対キロ制運賃

    JRの運賃は、キロ当りの賃率(対キロ賃率)に乗車区間の営業キロを乗じて運賃を算出する対キロ制を基本としている。 対キロ制運賃は、基本的に乗車距離に比例するが、本州三社の幹線の場合、1-300キロ、301-600キロ、601キロ以上の三区分で対キロ賃率が定められており、遠距離ほど賃率が低くなる遠距離逓減制となっている。

    これに対して、多くの私鉄は、対キロ区間制[1]を採用している。 これは、一定の距離を基準とした区間を定め、区間が1ランクあがるごとに階段状に運賃を加算してゆくものである。 一般的には、乗車距離に比例しない出札や改札などのコスト(ターミナルコスト)をすべての旅客に負担させるため、固定額+距離比例額という構造の遠距離逓減制運賃となっている。

    対キロ制と対キロ区間制の概念を図1に示し、図2で対キロ制を採用しているJRと対キロ区間制の大手私鉄の対キロ運賃をグラフで示す。

    図1 対キロ制と対キロ区間制

    図2は、JR(幹線、電車特定区間)及び私鉄のうち長距離路線網をもつ東武、名鉄、近鉄の100キロ(営業キロ)までの運賃である。 これらの3私鉄の運賃は、大手私鉄の中ではむしろ高額の部類に属すが、それでもJRの運賃にくらべ割安になっていることがわかる。 JRの対キロ運賃が距離比例となっているのに対し、私鉄の対キロ区間制運賃では、距離比例部分の勾配(賃率)が小さくなっており、距離が伸びるにつれて私鉄との運賃格差が拡大する。このためJRは、私鉄との競合区間を狙い撃ちして、後述する特定運賃を設定しているのだ。 なお、名鉄は、擬制キロの採用により、名古屋本線以外のローカル線の運賃が15-25%増しとなっており、名古屋本線を除くとJR幹線よりも高い[2]

    図2 JRと大手私鉄の運賃比較

    対キロ賃率

    対キロ賃率は、本州三社(共通)と三島会社各社ごとに、幹線、電車特定区間内、山手・大阪環状線と地方交通線ごとに、8種類定められている。
     
    表1 対キロ賃率
    営業キロ 
    幹線(地方交通線)
    本州三社 JR北海道 JR四国 JR九州
    幹線 電車特定区間 * 山手/大阪環状 * 地方交通線 幹線 地方交通線 幹線 ** 幹線 **
    1-100(1-91) 16.20 15.30 13.25 17.80 17.85 19.60 18.21 -***
    101-200(92-182) 16.20 17.75
    201-300(183-274) 16.20 17.80
    301-600(274-546) 12.85 12.15 - 14.10 12.85 14.10 12.85 12.85
    601-(547-) 7.05 - - 7.70 7.05 7.70 7.05 7.05
    電車特定区間及び山手・大阪環状線内の賃率は、当該区間内相互発着の乗車に適用される。 区間外にまたがる場合は、全区間について、幹線の賃率で計算される。
    **  JR四国・JR九州の地方交通線の運賃は、当該区間の擬制キロに幹線の賃率をかけて計算するので、地方交通線の賃率は存在しない。
    *** JR九州は、100キロ以下については対キロ賃率を定めず、対キロ区間制を採用している。

    運賃計算の方法

    片道普通旅客運賃は、キロ帯区分(幹線の場合、11-50キロ:5キロ刻み、51-100キロ:10キロ刻み、101-600キロ:20キロ刻み、601キロ以上:40キロ刻み)ごとに定める中央値に上記対キロ賃率を乗じ、得られた金額を営業キロ100km以下については切り上げ(10 位)、営業キロ100km超については四捨五入(100位)して税前運賃を計算し、これに消費税率をかけ、更に四捨五入(10位)して得られる。したがっ て、実際には対キロ区間制と同様、階段状に上昇する。

    なお営業キロが10キロ以下の区間の運賃は、賃率計算によらない対キロ区間制運賃である。電車特定区間内と山手・大阪環状線内の営業キロが10キロ 以下の運賃は、JR東日本とJR西日本で異なる(別表1B)。JR九州は、この対キロ区 間制運賃を100キロまでの区間に拡大し、50キロ以上の運賃を割安にしている。

    また、三島会社は特定のキロ帯について、対キロ賃率計算によらない特定運賃を旅規の別表で定めている(たとえば、JR四国の幹線の201キロから 1000キロまでの運賃は、対キロ賃率による計算額から一律70円を減じている)。またJR四国・JR九州は、地方交通線の擬制キロを幹線の賃率に当てはめる際、キロ帯区分を細かくして特定運賃を設けている(別表 3A別表3B)。キロ帯区分の刻みが大きいため、一段階上のキロ帯の運賃が大きく上昇するのを緩和する措置である。

    地方交通線と幹線とにまたがる乗車の場合は、地方交通線の賃率換算キロ(本州三社・JR北海道)または擬制キロ(JR四国・JR九州)に幹線の営業キロを加算して運賃計算キロを求め、これに幹線の賃率を乗じて運賃を計算する。また本州三社と三島会社にまたがる乗車については、全行程の営業キロまたは運賃計算キロに本州三社の賃率を乗じて得られた基準額に、三島各社内の乗車区間について三島各社と本州三社との賃率差に相当する加算額を加えて計算する。

    区間特定運賃

    さらに、対キロ賃率計算によらず、区間ごとに個別に設定される区間特定運賃が存在する。東京、名古屋、大阪周辺の私鉄と競合する区間には、 計算上の運賃から1-2ランク低いキロ帯の運賃を適用した、割安な区間特定運賃運賃が定められている。
     
    表2 特定運賃設定区間
    JR 特定区間 営業キロ 一般運賃 特定運賃 競合私鉄 区間 営業キロ 運賃
    JR東日本 東京−西船橋(電) 20.6 380 290 営団 大手町−西船橋 20.1 270
    上野−成田 66.4 1,110 890 京成 京成上野-京成成田 61.2 810
    新宿−高尾(電) 42.8 690 540 京王 新宿−高尾 43.0 350
    新宿−八王子(電) 37.1 620 460 京王 新宿−京王八王子 37.9 350
    新宿−拝島(電) 34.1 540 450 西武 西武新宿−拝島 36.9 420
    渋谷−桜木町(電) 31.2 540 450 東急・横浜高速 渋谷−みなとみらい 25.9 440
    渋谷−横浜(電) 29.2 450 380 東急 渋谷−横浜 24.2 260
    渋谷−吉祥寺(電) 15.6 290 210 京王 渋谷−吉祥寺 12.7 190
    新橋−久里浜(電) 68.5 1050 890 都営・京急 新橋−京急久里浜 61.6 930
    新橋−田浦(電) 58.4 890 780 都営・京急 新橋−京急田浦 49.3 790
    浜松町−横須賀(電) 59.3 890 780 都営・京急 大門−逸見 52.0 790
    品川−衣笠(電) 59.0 890 780 京急 品川−県立大学 51.1 690
    品川−逗子(電) 48.1 780 690 京急 品川−新逗子 46.8 620
    品川−横浜(電) 22.0 380 280 京急 品川−横浜 22.2 280
    横浜−田浦(電) 31.5 540 450 京急 横浜−京急田浦 22.3 300
    横浜−逗子(電) 26.1 450 330 京急 横浜−新逗子 24.6 300
    JR東海 名古屋−岡崎 40.1 740 600 名鉄 新名古屋−東岡崎 38.2 650
    名古屋−安城 32.3 570 460 名鉄 新名古屋−新安城 29.7 540
    名古屋−尾張一宮 17.1 320 290 名鉄 新名古屋−新一宮 17.1 290
    名古屋−岐阜 30.3 570 450 名鉄 新名古屋−新岐阜 31.8 540
    名古屋−桑名 23.8 400 330 近鉄 近鉄名古屋−桑名 23.7 490
    名古屋−四日市 37.2 650 460 近鉄 近鉄名古屋−近鉄四日市 36.9 610
    枇杷島−岐阜 26.3 480 410 名鉄 西枇杷島−新岐阜 28.2 540
    金山−名古屋 3.3 180 160 名鉄 金山−新名古屋 3.6 180
    金山−尾張一宮 20.4 400 350 名鉄 金山−新一宮 21.8 480
    金山−岐阜 33.6 570 520 名鉄 金山−新岐阜 35.4 590
    JR西日本 大阪−京都(電) 42.8 690 540 阪急 梅田−河原町 47.7 390
    京阪 淀屋橋−三条 49.3 400
    大阪−高槻(電) 21.2 380 250 阪急 梅田−高槻市 23.0 270
    大阪(北新地)−神戸(電) 33.1 540 390 阪急 梅田−高速神戸 34.5 430
    阪急 梅田−三宮 32.3 310
    阪神 梅田−高速神戸 33.0 430
    阪神 梅田−元町 32.1 310
    大阪(北新地)−宝塚 24.5 400 320 阪急 梅田−宝塚 24.5 270
    茨木−神戸(電) 47.7 780 690 阪急 茨木市−高速神戸 46.9 430
    高槻−神戸(電) 54.3 890 780 阪急 高槻市−高速神戸 52.7 520
    京都−神戸(電) 75.9 1,210 1,050 阪急 河原町−高速神戸 77.4 720
    京都−奈良 41.7 740 690 近鉄 京都−近鉄奈良 39.0 610
    京都−城陽 20.2 400 350 近鉄 京都−寺田 15.9 340
    京都−新田 18.1 320 280 近鉄 京都−大久保 13.6 290
    JR難波−奈良(電) 41.0 690 540 近鉄 近鉄難波−近鉄奈良 32.8 540
    天王寺−奈良(電) 37.5 620 450 近鉄 鶴橋−近鉄奈良 29.7 480
    天王寺−和歌山(電) 61.3 1,050 830 南海 難波−和歌山市 64.2 890
    特定運賃が設定されている最遠区間のみをあげた。 
  • 電は電車特定区間
  • 赤字は、JR運賃が私鉄よりも安い区間
  • 北新地から尼崎以遠は、大阪からのキロで運賃計算
  • 加算運賃

    一方、空港への連絡線など、新たに建設された次の区間については、加算運賃が適用されている。なお、本四備讃線の児島・宇多津間にかかわる加算額適用区間については、下表の区間で特定運賃が定められている。

    表3-1 加算運賃適用区間
    区間 加算額
    南千歳・新千歳空港間 140
    日根野・りんくうタウン間 180
    日根野・関西空港間 210
    りんくうタウン・関西空港間 160
    児島・宇多津間 100
    田吉・宮崎空港間 120
    表3-2 加算運賃区間特定運賃
    区間 片道普通運賃 計算上の運賃
    児島・坂出間 510 540
    児島・八十場間 620 640
    児島・鴨川間 620 640
    児島・讃岐府中間 620 640
    児島・宇多津間 410 450
    児島・丸亀間 510 540
    児島・讃岐塩屋間 510 540
    児島・多度津間 510 540
    児島・海岸寺間 620 640
    児島・金蔵寺間 620 640

    瀬戸大橋の100円の加算額に対し、青函トンネルには加算額がない。これは、本四備讃線が幹線であるのに対し、地方交通線の津軽線・江差線にはさま れる津軽海峡線が地方交通線に指定され、賃率そのものが高くなっているため(中小国・木古内間87.8キロの幹線と地方交通線の運賃差は、260円)と思 われる。

    多岐にわたる運賃表

    時刻表には、対キロ運賃表が掲載されている。上記の計算ルールを知らなくても、旅行区間の営業キロまたは運賃計算キロを求めれば、これを参照して運賃を求 めることができる。しかし、上述した複雑な運賃計算ルールのために、運賃計算で参照する運賃表は次のように多岐にわたる。これ以外に、運賃表では求め られない、区間ごとに個別に設定される特定運賃・加算運賃が存在するのだ。

    表4-1 適用運賃表(旅行がJR各社内または本州三社内で完結するとき)
      本州三社 JR北海道 JR四国 JR九州
    幹線 別表1A (営業キロ) 表1D (営業キロ) 別表1E (営業キロ) 別表1F (営業キロ)
    電車特定区間 別表1B (営業キロ) - - -
    山手・大阪環状線 別表1C (営業キロ) - - -
    地方交通線 別表2A (営業キロ) 別表2B (営業キロ) 別表1E または別表3A (擬制キロ) 別表1F または別表3B (擬制キロ)
    幹線+地方交通線 
    *営業キロ>=10km
    別表1A または別表2A* (運賃計算キロ) 別表1D または別表2B* (運賃計算キロ) 別表1E または別表4A (運賃計算キロ) 別表1F または別表4B (運賃計算キロ)

    表4-2 適用運賃表(旅行が本州三社と三島会社にまたがるとき)
    全行程の営業キロまたは運賃計算キロで基準額を計算し、これに三島各社内の営業キロまたは運賃計 算キロによる加算額を加える。
      JR北海道 JR四国 JR九州
    幹線/幹線 + 地方交通線/地方交通線(本州)→幹線/幹線 + 地方交通線(三島) 別表1A (基準額: 営業キロ または 運賃計算キロ ) + 別表5A(加算額: 営業キロ または運賃計算キロ) 別表1A  (基準額:営業キロ または運賃計算キロ) + 別表5B(加算額:営業キロまたは運賃計算キロ) 別表1A  (基準額:営業キロ または運賃計算キロ) + 別表5C(加算額:営業キロまたは運賃計算キロ )
    幹線/幹線 + 地方交通線(本州)→地方交通線(三島) 別表1A (基準額: 営業キロ または 運賃計算キロ ) + 別表6A(加算額:営業キロ) - -
    地方交通線 (本州)→地方交通線 (三島) 別表2A (基準額: 営業キロ) + 別表6A(加算額:営業キロ) - -


    複雑化のルーツ

    現在のJRの運賃計算ルールは、上述したようにきわめて複雑になっているが、その要素は次の4点である。 これらの複雑な運賃計算ルールをもたらした要素ごとに、そのルーツをたどってみよう。

    賃率の多様化

    表1に見たように、現在8種類の賃率が存在する。 日本国有鉄道が運輸省から分離し公社として発足した1949年6月1日以降、現在まで、対キロ賃率と適用キロ区分は次のように推移した。 これは、現在の普通車に相当するニ等車または三等車の対キロ賃率である。 なお、グリーン料金制が導入された1969年5月の改訂までは1、2等の2クラスの賃率が、3クラスから2クラス制とした1960年7月の改訂までは1、2、3等の3クラスの賃率が存在した。

    表5-1 賃率の推移(1949-1984)
    営業キロ 49/06 50/04 51/11 53/01 57/04 60/07 61/04 66/03 69/05 74/10 76/11 78/07 79/05 80/04 81/04 82/04
    1-150 1.45 1.45 1.85 2.10 2.40 2.40 2.75 3.65 4.20 5.10 7.90 9.35 10.70 11.35 12.40 13.25
    151-300 1.05 1.05 1.30 1.45 1.65
    301-400 1.20 1.35 8.55 9.05 9.90 10.55
    401-500 1.80
    501-600 0.60 0.70 0.75 0.85 2.05
    601-800 2.50 3.90 4.60 4.60 4.95 5.40 5.75
    801-1000 0.45
    1001- 0.40 0.50 0.55
    初乗り運賃 5 5 10 10 10 10 10 20 30 30 60 80 100 100 110 120

    表5-2 賃率の推移(1984-)
    種別 営業キロ 84/04 85/04 86/09 96/01
    本州三社 幹線 1-300 14.50 15.30 16.20 16.20
    301-600 11.55 12.15 12.85 12.85
    601- 6.30 6.65 7.05 7.05
    地方交通線 1-273 15.95 16.80 17.80 17.80
    274-546 12.70 13.35 14.10 14.10
    547- 6.90 7.25 7.70 7.70
    電車特定区間(国電区間) 1-300 14.50 15.30 15.30 15.30
    301-600 11.55 12.15 12.85 12.85
    山手線・大阪環状線内 1-300 13.25 13.25 13.25 13.25
    JR北海道 幹線 1-200 - 17.85
    201-300 - 16.20
    地方交通線 1-182 - 19.60
    183-273 - 17.80
    JR四国 1-100 - 18.21
    101-300 - 16.20
    JR九州  1-100 - -
    101-300 - 17.75

    1984年4月、地方交通線[3]に幹線よりも割高な賃率が採用され、このとき同時に、山手線・大阪環状線内相互発着の乗車に適用する賃率も制定された。 この規則改訂で1種類しかなかった賃率を3種類とし、さらに1986年9月の運賃改定の際、当時の国電区間の賃率を据え置いて幹線と区分し、4種類としたことが、現在の複雑な運賃体系をもたらしたルーツといえる。

    国鉄の分割民営化によりJRが発足した1987年4月にはこの4種類の賃率が継承され(国電区間は電車特定区間に改称)、1996年1月、三島会社の運賃が改訂され、営業キロ300キロまでの区間に本州三社と比べ割高な賃率を採用した。 三島会社各社の賃率とその適用キロ帯の区分は一律ではなく、各社間に微妙な差が生じた。 さらに、本州三社・JR北海道とJR四国・JR九州との間で、地方交通線の運賃計算方式に差が出た。 この結果、賃率は現行の8種類まで拡大したのである。 なお、賃率の改訂は表5-2のとおりであるが、1989年4月の消費税導入時と1997年4月の消費税率の変更時に、これに伴う運賃改訂が行われた。

    ところで、三島会社各社間の賃率と適用キロ帯区分の差は、各社ごとの旅客の需要構造や他の交通機関との競合が反映されているのだろうか。 各社が多くの特定運賃を設定していることとあいまって、三社の実質運賃に大きな差異を見出すことができない。 各社がその独自性を保つために、賃率と適用キロ帯区分に差をつけたとしか思えないといえば、言い過ぎであろうか。

    地方交通線の運賃計算方法の差異

    前述したように本州三社・JR北海道とJR四国・JR九州との間で、地方交通線の運賃計算方法が異なっている。本州三社とJR北海道の方法、すなわち地方交通線だけを乗車するとき、地方交通線用の割高な賃率で計算するのは、国鉄時代の1984年4月に導入された地方交通線運賃計算方法をの以来でのある。 地方交通線と幹線にまたがって乗車するときは、地方交通線の換算キロと幹線の営業キロを加算して計算することにしたのも、このとき以来である。

    1984年の地方交通線賃率の導入以前にも、1960年に開業した指宿線、岩日線(現錦川鉄道)、能登線(のと鉄道に転換後廃止)及び越美北線で、それぞれの開業日から1961年5月20日まで、他の路線よりも割高な運賃を徴収していた。このときは、賃率を変更するのではなく擬制キロ方式を採用し、営業キロに一定の換算率をかけた旅客営業キロ程を設け、これにより運賃を計算していた[4]。 1996年1月の運賃改訂にあたって、JR四国・JR九州が地方交通線に擬制キロを採用し、運賃表を一本化したのは、この方法にルーツがある。 また前述した通り、名鉄のローカル線も運賃表は一本化し、擬制キロの設定により運賃格差がつけられている。 なお、東武も小泉線に擬制キロを設定しているが、これは伊勢崎線の館林−太田間の営業キロと一致させるためのものである[5]

    電車特定区間内、山手線・大阪環状線内の低賃率

    前述したように1984年4月の地方交通線賃率の導入と同時に、都心部の営業係数の低い黒字路線に低廉賃率を適用したものである。 山手線・大阪環状線内については、それ以前も1961年4月の運賃改訂まで、賃率を低廉にするのではなく、営業キロに0.6を乗じた擬制キロを採用して運賃を割安にしていた。 1961年4月の旅規改訂で東京と大阪の擬制キロが廃止されたが、緩和措置として区間を特定して賃率計算による運賃から割り引く制度が定められた[6]。なお、擬制キロ制度では、区間内相互間の乗車だけでなくこの区間を通過する場合も低廉賃率の恩恵にあずかることができたが、通過客にも適用するのはおかしいという議論が、廃止の一つの理由だったようだ.。

    区間特定運賃

    1979年5月の運賃改訂に際し、京都・西大路−大阪間と大阪−三宮・元町・神戸間に区間特定の割引運賃が制定された。 その対象区間は1982年の運賃改訂時に、東京圏・名古屋圏を含めて大幅に拡大した。 度重なる運賃値上げの結果競合する私鉄に比べ割高になった国鉄の運賃を是正する手段であった。 しかし、分割民営化以降JRと私鉄の運賃が逆転したケースがでており、特に名古屋地区では完全に逆転した。 本州のJR三社の運賃改訂は消費税に伴うものだけだったのに対し、この間私鉄が消費税関連の改訂を除いて、3-4回の運賃改訂を行った結果である。

    この区間特定運賃は、運賃計算を複雑にするとともに、区間を分割して乗車券を購入したほうが、目的地まで購入するより安いという逆転現象を多くの区間に拡大する原因となった。

    本州三社から三島会社にまたがる場合の加算額

    1996年の三島会社の300キロ以下の賃率改訂により、本州三社と三島会社の対キロ賃率に差が生じた。 そのため、JR各社間の運賃通算制度を維持するために、三島会社の区間に適用する加算額を定めた。 国鉄改革にあたっては、民営化は必要としても、分割は旅客の利便が損なわれるという反対意見があった。 これに対し、分割後も運賃通算制や相互乗り入れなどは維持するという公約を守るためにとった策である。


    分割購入の問題

    問題の所在

    一般的な運賃体系では、乗車距離が長くなればキロ当たりの賃率が低下する遠距離逓減制を採用するため、目的地まで通して乗車券を購入したほうが、途中で分割するよりも運賃が安くなる。ところが、JRの場合、乗車区間を途中駅で分割したほうが通して購入するよりも運賃が安くなるケースが少なくない。途中下車を認めない100キロ以内の区間や大都市近郊区間内でも、途中駅で下車して改めて購入したほうが得になるケースが多数存在するのだ。

    例えば、田端から横浜までの運賃は、36.1キロ、620円(電車特定区間運賃)であるが、これを品川で分割すると、

    の計470円となり、通して購入するよりも150円、24%も安くなるのである。

    この場合、田端駅で品川までの乗車券(190円)を購入し、横浜駅で乗り越し精算をすると発駅計算(差額精算)となり、430円が徴収される。乗車券を分割する駅で下車して乗車券を買いなおすか、前もって2枚の乗車券を準備しておく必要がある。この場合、駅では原則として他駅発の乗車券を販売しないので、事前にJTBなどの旅行会社で購入する必要がある。ただし次のように、100キロ超の乗車券(大都市近郊区間相互発着の場合を除く)では、乗り越し精算時に乗り越し区間の運賃を徴収される(打ち切り計算)ので、事前購入の必要はない。

    山手線内から興津までの運賃は、164.3キロ、2,940円(幹線)であるが、これを一駅手前の由比まで購入し、乗り越すと

    の計2,700円となり、通して購入するよりも240円安い。

    池袋などから乗車するのでなく、乗車区間が東京から興津までのときは、次のように新子安で分割すれば、

    の計2,580円となり、さらに120円安くなる。ただし、この場合は乗り越しでは差額精算となってしまい、あらかじめ2枚の乗車券を準備する必要がある。

    旧国鉄が不正乗車防止のため、「乗車券は目的地まで」というキャンペーンを行っていた1960年代にも、運賃が逆転する例が指摘され、問題となったことがある。この逆転現象は、これまで述べた運賃計算ルールが内包している矛盾なのだ。分割購入は、このようなルールの矛盾により割高な運賃が課される旅客の自衛手段である。

    運賃計算ソフトには分割区間を探索する機能を組み込んでいるものがある。定期券ではとくに大きな差が出るので、社員に分割定期券を支給している企業もある。しかし、自動改札の普及に伴い、鉄道各社は入場記録がない乗車券では出場できないフェアライドシステムを採用しており、分割購入した2枚の定期券では、自動改札を通れないという事態が発生する。このため、JRは、連続する2枚の定期券を使った時にも自動改札を通れるように、旅客の求めに応じて定期券の磁気操作をしている[7]。 しかし、このような分割購入への対応は本末転倒である。 旅客が損をしないように自衛手段を検討をせざるをえないという事態は異常であり、常に目的地まで通して購入するほうが安 くなるように、ルールの矛盾を解消すべきである。

    このような分割購入が有利となるという矛盾をもたらす運賃計算のルールとは次の諸点である。

    距離地帯制の運賃計算

    1966年3月の運賃制度改訂で距離地帯制を採用し、従来の10円刻みの運賃から、一定の区分のキロ帯を設定し、キロ帯ごとに同一の運賃とするシステムに変更した。これは、当時使用され始めた半硬券印刷型自動券売機(字模様だけを印刷した半硬券の巻き取り原紙を装着し、発売のつど券面表示事項を印刷する方式)の金額式乗車券の種類を減らすための措置といわれている。 その結果、運賃の刻みが大きくなり、また中央値による運賃計算を採用したことによリ、運賃逆転区間が発生したのである。 いわば、ルール自体が内包する矛盾である。

    表6に運賃のキロ刻みの推移を示した。1951年11月の運賃改訂で初乗り運賃が10円となった以降、運賃区分は10円刻みとし、同一運賃ごとにこれに対応するキロ帯が定められていた。 1966年3月の運賃改訂で、50キロまでは従来どおり10円刻みの運賃区分に対応して2-3キロごとに区分したが、51キロ以上には一定のキロ帯に同一の運賃を適用する距離地帯制を採用し、51キロから100キロまでは5キロ刻み(運賃の増加は、10-20円)、101キロから400キロまでは10キロ 刻み(同、30-40円)、401キロ以上は20キロ刻みとした。さらに、1969年5月改訂を経て、1974年10月改訂以降、10キロ以下の区分は何 度か変更されたが、11キロ以上の区分は現行どおりとなった。

    表6 キロ刻みの推移
    営業キロ 1951/11 1966/03 1969/05 1974/10 1978/07 1986/09
    1-10 運賃10円刻み 運賃10円刻み 5キロ刻み 1-3,4-5,7-10 1-3,4-10 1-3,4-6,7-10
    11-50 5キロ刻み 5キロ刻み 5キロ刻み
    51-100 5キロ刻み 10キロ刻み 10キロ刻み 10キロ刻み 10キロ刻み
    101-400 10キロ刻み 20キロ刻み 20キロ刻み 20キロ刻み 20キロ刻み
    401-500 20キロ刻み
    501-600 40キロ刻み
    601- 40キロ刻み 40キロ刻み 40キロ刻み

    キロ帯区分の刻みが粗いことによって運賃の逆転が発生する。とくにキロ帯区分が20キロとなる営業キロ100キロ超300キロまでの区間(本州幹線)では、一段階上のキロ帯との運賃差額が310円から420円であり、初乗り運賃(120−140円)の約3倍となっている。目的駅が1段階下のキロ帯の最遠駅から15キロ以内にあれば、乗車券を当該最遠駅で分割したほうが確実に安くなる。420円上昇するキロ帯では、分割したほうが安くなる距離は20キロまでとなり、ほぼ全ての区間が該当する。同様に運賃上昇が210円から320円の301キロ超の区間でも、最遠駅から10キロ以内(320円上昇のキロ帯は15キロ以内)であれば、分割したほうが確実に安くな る。そしてこれらの場合は、あらかじめ2枚の乗車券を購入する必要がなく、乗り越し精算をすればよい。

    中央値を使用する運賃計算

    本州三社幹線の25-30キロ帯の運賃は、中央値の28キロで計算されるから、10-15キロ帯(13キロで計算)の 2 区間に分割できれば、26キロ (13キロ x 2)の運賃でよいことになる。実際に25-30キロの運賃は480円であり、10-15キロの乗車券(230円)2枚分の460円 よりも高い。同様に40キロ(38キロ)も20キロで分割(18キロ x 2)し、50キロ(48キロ)も25キロで分割(23キロ x 2)した方が安くなる。 とくに、15キロまでの運賃(本州幹線、230円)は、キロ当たり15.3円(消費税込み)で250キロ以内のキロ帯としては最も安いので、15キロで分割するのが効果的である。

    四捨五入方式

    1966年3月の距離地帯制により逆転区間が拡大したが、分割が有利となる事態は、距離地帯制をとらず10円刻みで運賃を設定していた時代にも存在した。 現在は100キロまでの運賃は、10円単位で切り上げている(これに消費税率をかけ四捨五入)が、1961年4月改訂までは10円単位で四捨五入していたためである。 その結果、対キロ賃率2.4円で計算される運賃は、6キロ(14.4円)までが10円、10キロ(24.0円)までが20円、14キロ(33.6円)までが30円となり、10キロ超12キロまでの区間(30円)であれば、6キロで分割する(10円 x 2)と10円安くなる短距離逓減制となっていたのである。

    この矛盾を解消するため、61年4月改訂で四捨五入をやめて、切り上げとした。 しかし66年3月改訂で距離地帯制を採用し、キロ刻みを大きくし中央値を使って運賃計算をする方法としたため、現在のような矛盾が生じることとなった。

    1978年7月から100キロ超の運賃の四捨五入を100円単位ですることとした。 これによりキロ帯が一段階あがるごとに、運賃が100円または200円上昇するようになり、上昇額に2倍の格差が生じることとなった。 現在の101キロから300キロまでの税前運賃のキロ帯区分ごとの格差は、300円と400円である。 これに消費税を加えて四捨五入すると、格差は、310円、320円、420円の3種類となる。 89年4月の消費税導入に際し、税前運賃はこれまでどおり100円単位で四捨五入し、これに消費税率をかけ、税込み運賃は10円 単位で四捨五入するというおかしな方法をとった結果であるが、最終的に10円単位とするならば、税前運賃の計算を100円単位で四捨五入する必要はない。

    電車特定区間内、山手線・大阪環状線内の低廉賃率と区間特定運賃の設定

    電車特定区間内、山手線・大阪環状線内の低廉賃率を区間内相互発着のみに適用し、区間をまたぐと適用しないというルールから生じる問題である。このため、 山手線の周縁駅(東京、品川、新宿、赤羽、秋葉原)や電車特定区間の周縁駅(大船、高尾、拝島、大宮、我孫子、取手、千葉、千葉みなと)で分割すると安くなるケースが多い。

    特定運賃が設定されている区間も、同様に、これを超えると割引がなくなるので、この区間で乗車券を分割することが有効である。先の田端−横浜間における、品川駅での分割は、田端−品川間の山手線・大阪環状線内の低廉賃率と品川−横浜間の特定運賃を組み合わせた例である。

    300キロまで一律の対キロ賃率

    上記の個別な事情のほかに運賃逆転現象が生じる背景には、JR本州三社が10キロ超300キロまでの区間について、一定の対キロ賃率による距離比例の運賃計算をしていることがある。私鉄の対キロ区間制運賃では、つねに遠距離逓減効果が働いており、区間分割による運賃の逆転現象は生じない[8]


    運賃計算の簡素化への試案

    複雑な運賃計算ルールを知らずとも、ウェブ上の運賃計算ソフトを使えば簡単に旅行する区間の運賃が得られる。ソフトは入力された区間ごとに、まず特定運賃や加算運賃の有無を判定し、次に適用する運賃表を選択して、基準運賃と加算額を計算しているのだろう。これに加えて、経路特定区間や特定都区市内発着と いった運賃計算の特例を処理するアルゴリズムも内包している。

    分割民営化の趣旨から言えば、各旅客会社は独立した会社であり、会社ごとに運賃設定の自由度をもつべきであるという見方もあるだろう。だからといっ て、現在の複雑な体系を維持することに意味があるのか。需要に応じた運賃設定の必要性という観点からは、各種の企画乗車券で既に独自の対応がなされてい る。また、旅客会社間にまたがる運賃通算制は、JRの分割民営化時の公約である。会社及び路線ごとに運賃格差をつけるために賃率を多様化する必要はなく、擬制キロ方式を採用すれば賃率の一本化が可能である。これは、単に複雑な体系を旅客にとってわかりやすいシンプルなものにするだけでな く、分割購入の問題を解決するためにも必要である。

    以下で複雑なルールを簡素化し、分割購入の運賃逆転現象を解消する具体案を検討する。

    賃率の一本化

    現行8種類の賃率を本州三社の幹線賃率に一本化し、会社間、地域間、路線間の運賃格差の設定は、JR四国、JR九州が採用している擬制キロ方式により行 う。

    擬制キロ換算率の多様化

    営業キロの擬制キロへの換算率を多様化することによって、会社間、地域間、路線間に運賃格差をつける。この際、幹線、地方交通線、山手線・大阪環状線内、電車特定区間の賃率差だけでなく、本州三社と三島各社間の賃率差についても擬制キロによる。これによって、山手線・大阪環状線内、電車特定区間内の低廉賃率及び運賃が区間内相互発着だけでなく、この区間を通過する旅客にも適用されることになる。また本州三社から三島会社への乗り継ぎの加算額計算が不要となる。

    また個別に設定されている特定運賃と加算運賃についても、一律に擬制キロで対応し、全体として割高になっている電車特定区間については、私鉄との競合区間のみを狙い撃ちする現行の区間特定運賃にかえて、競合私鉄の賃率にみあった擬制キロを全体に適用する。

    営業キロから擬制キロへの換算率については、以下のとおり設定したが、これはあくまでも一例であり、換算率をさらに多様化し、線区の経営状況に応じてフレキシブルに対応すべきであろう。

    表7 営業キロから擬制キロへの換算率
    換算率 区分 該当路線・区間
    0.8 電車特定区間A 山手線内、大阪環状線内、品川−大船(西大井経由を含む)、大船−久里浜、新宿−高尾、立川−拝島、日暮里 −我孫子、東京−西船橋、京都−神戸、尼崎−宝塚、天王寺−奈良、天王寺−和歌山
    0.9 電車特定区間B 岡崎−岐阜、名古屋−四日市、京都-奈良及び現行の電車特定区間のうち、電車特定区間A、B以外の区間
    1.0 本州幹線、JR九州下関−博多間 本州三社の幹線(除く、電車特定区間A、B)
    1.1 本州地方交通線 現行どおり
    1.1 三島幹線 除く下関−博多間(換算率1.0)
    1.21 三島地方交通線 現行区間及び児島−宇多津
    2.0 空港路線 南千歳−新千歳空港、日根野−関西空港、田吉−宮崎空港

    なお、新幹線については、平行在来線と同一の営業キロとみなす現在の運賃体系を維持する限り、平行在来線と同じ擬制キロで運賃を計算することとす る。東京−大船間、岡崎−岐阜間、京都−西明石間、東京−大宮間に、換算率1.0以下の擬制キロを採用したため、新幹線の運賃計算キロも、その区間の営業キロと擬制キロの差相当分だけ短くなる。なお、96年1月の三島会社の運賃改訂で、新下関−博多間の運賃が新幹線と在来線とで異なることになった が、JR九州の平行区間は、本州三社の賃率を維持すべきであったと思う。この区間は、企画乗車券で割引運賃が設定されているJR九州のドル箱区間であり、割増運賃を徴収する必要がない。ここでは、本州幹線と同じく、営業キロとの換算率を1.0に戻してみた。

    キロ帯区分を小刻みに

    キロ帯区分ごとの運賃の上昇格差を抑えるため、キロ区分刻みを縮小する。距離地帯制を採用した1966年当時の乗車券は、窓口で発売する常備券または手書きの補充券と印刷型自動券売機による半硬券乗車券であった。運賃計算にコンピュータは使われていなかったので、キロ区分刻みの拡大は、発券作業を合理化する意味があった。しかし、運賃計算と発券がコンピュータ化し、大都市圏においてはSuica等による自動乗車システムが主流となった現在、キロ区分刻みを縮小してもコストは増加しない。

    300キロまでは、営業キロ、擬制キロに賃率と消費税率をかけて10円単位で切り上げる。遠距離逓減運賃が適用される301-600キロ(運賃逆転回避のため303キロから)は、50円単位で四捨五入(二捨三入、七捨八入)、601キロ以上は100円単位で四捨五入する。その結果、同一運賃帯は、300キロまで1キロ刻み、303-600キロは3-4キロ刻み、601キロ以上は13-14キロ刻みとなる。こうすれば、運賃の逆転現象は解消する。

    なお、初乗り運賃は7キロまで120円とするが、地域の事情に応じて各社ごとに、路線区分ごとに個別に設定すべきかもしれない。また、初乗り運賃だけでなく、現行どおり10キロ以下の運賃を割高に設定してもよいだろう。

    現行運賃との比較

    いくつかの区間について、現行の運賃と上記改訂案に基づく運賃体系の運賃を比較してみよう。

    表8 現行運賃との比較
    区間 現行運賃 試案運賃
    運賃キロ 種別 現行運賃 うち加算額 分割運賃 擬制キロ 試案運賃
    田端−横浜 35.9 電車特定区間 620 470 28.7 500
    田端−品川 13.9 山手線内 190 11.1 210
    品川−横浜 22.0 区間特定 280 17.6 310
    大森−新子安 13.4 電車特定区間 210 10.7 190
    新宿−高尾 42.8 区間特定 540 34.2 580
    東京−国立 34.5 電車特定区間 540 27.6 480
    京都−神戸 75.9 電車特定区間 1,050 60.7 1,040
    都区内(東京)−興津 164.3 幹線 2,940 2,580 155.0 2,640
    都区内−札幌市内 1,215.9 加算(三島) 14,700 310 1,261.6 14,100
    都区内−大阪市内 556.4 幹線 8,510 531.5 8,250
    天王寺−関西空港 46.0 電特・加算(空港) 990 210 50.1 870
    岡山−高松 71.8 加算(大橋+三島) 1,370 190 78.2 1,350
     
    この案は、現行の対キロ賃率運賃を大きく変更しないという前提で検討したために、経営状況や需要構造の実態に合わない点が多いかもしれない。大都市近郊区間については、全体として割高になっている感が否めない。特定運賃が設定されている区間(品川−横浜、新宿−高尾)は、隣接する区間の運賃と連続性を保 ち、 区間分割による運賃逆転が起きないよう、割高にならざるを得ない。しかし、大森−新子安や東京−国立のように、特定運賃設定区間から外れ、分割も難しい区間では、割安になる。天王寺−関西空港においても、日根野−関西空港の擬制キロを加算運賃を反映して2倍にしたにもかかわらず、天王寺−和歌山間の特定区間を考慮して阪和線を0.8倍としたため、全体として割安になった。

    これは、むしろ、競合区間のみを狙い撃ちする現行の特定区間設定が問題なのであり、大都市圏全体について別の体系を考える必要がある。抜本的な対策 としては、300キロまで一律の対キロ賃率をみなおすとともに、国鉄・JRが伝統的に採用してきた対キロ制運賃をやめて、私鉄と同様の対キロ区間制を採用すべきであろう。また、電車特定区間の範囲を拡大し、その擬制キロへの換算率を線区ごとの経営状況及び私鉄との競合状況に合わせて、0.6、0.7、0.8等の数段階に分けて設定する必要があろう。こうすれば、分割購入の運賃逆転問題を解決し、個別に区間特定運賃を設定せずに、私鉄との運賃格差を是正することが可能となる。ただし、会社全体の収支構造や需要動向がわからないので、基準賃率や区間(キロ帯)の設定、上昇幅などについての具体的な提案は、見送らざるを得ない。

    乗車区間の距離(擬制キロ)を計算すれば、一本の対キロ運賃表から運賃が得られるというのは、非常にわかりやすい。上記の提案のうち、地方交通線の運賃計算におけるJR四国、JR九州の擬制キロ方式の採用と、キロ帯区分の小刻み化は、すぐにでも実施できるだろう。また、分割による運賃逆転現象の是正は 急務であり、制度変更により現行運賃に比べ割高になる区間については、過渡的に企画乗車券等による救済策が必要かもしれない。


    急行料金体系はもっと複雑だ

    JRの運賃体系の問題点について議論してきたが、急行料金体系も運賃体系以上に複雑である。JRとなってから、年々複雑さが増している。上限運賃が認可制 となっている運賃と異なり、料金は新幹線の特急料金を除き、届け出制である[9]から、事業者がその裁量で決定する余地が大きいことが複雑さの主因である。JR各社がばらばらに料金を決定し、それを旅規に継ぎ足していったために全体の統一が取れていない。ここでは料金体系の複雑さと、 運賃と同様に存在する分割購入の問題を紹介する。簡略化と矛盾解消に向けて旅規の全面的な改定が必要だろう。

    急行券の種類

    急行券の種類は、旅規57条に次のように定められている。
    (1) 特別急行券
    指定席特急券
    立席特急券
    自由席特急券
    特定特急券
    (2) 普通急行券

    第1号ニの「特定特急券」は、乗車できる列車及び乗車区間を指定し、特定の特別急行料金によつて、座席の使用を条件としないで発売されるものであり、以下の区間に設定されている。

    (イ) 新幹線
    a. 九州新幹線を除く新幹線の隣接駅間(新駅設置以前の隣接駅間を含む)
    b. 「のぞみ」の停車駅相互間
    c. 盛岡・八戸間
    (ロ) 新幹線以外の線区
    水戸・原ノ町間(100キロ以内の区間を除く)
    鳥取・出雲市間(100キロ以内の区間を除く)
    米子・益田間(100キロ以内の区間を除く)
    盛岡・秋田間(田沢湖線・奥羽本線経由)
    (ハ) その他別に定める区間

    特定特急券は、近距離区間の新幹線利用を促進するために、新幹線の隣接駅間の自由席用に設定されたものであるが、後述する新幹線特急券の分割購入問題の元凶となっている。

    この「特定特急券」と紛らわしいのが、旅規57条の3に定められている「特定の特別急行券」である。同条に「特定の特別急行料金による特別急行券」の発売 が、57条の4に「特定の普通急行料金による普通急行券」の発売が、それぞれ表9の通り定められている。

    表9 特定の特別急行券・普通急行券
    条項 内容 発売する急行券
    57条の3、1項 繁忙期・閑散期 指定席特急券
    57の条3、2項 新幹線以外の線区で別に定める区間(基97の2) 指定席特急券・立席特急券・自由席特急券・特定特急券
    57の条3、3項 指定席特別車両券(A)、寝台券又はコンパートメント券との同時発売 指定席特急券
    57の条3、4項 新在直通区間(山形・秋田「新幹線」) 指定席特急券・立席特急券・自由席特急券・特定特急券
    57の条3、5項 鹿児島本線と九州新幹線の特急列車の乗継ぎ 指定席特急券・自由席特急券
    57の条4 別に定める区間(基97の4) 普通急行券

    57条の3には、異質な項目が脈絡なく記載されている。 1項の繁忙期・閑散期に発売する特急券を、「特定の特別急行券」として記載する意味がわからない。 単に旅規125条で、料金をそれぞれ200円増し、200円引きで発売すると規定すればすむことである。 また、3項の指定席特別車両券(A)、寝台券又はコンパートメント券と同時に、自由席特急料金で発売する特急券についても、同様に510円(JR九州は500円)引きと既定すればよい。 2項、4項、5項の個別線区ごとに発売される「特定の特別急行料金による特別急行券」と57条1号ニの「特定特急券」をあわせて、特定特急券としてまとめたほうがすっきりする。

    第2項の区間は、一般にB特急料金適用区間[10]といわれているもので、普通急行の快速と特急への二分化によって格上げされた走行区間の短い、車両設備の劣る特急列車に適用されたのが始まりである。 その区間は、基準規程97条の2に、「規則第57条の3第2項の規定による特別急行券の発売区間」として、以下の通り定められている。

    (1) 次の線区・区間の停車駅相互間
    山手線、赤羽線、南武線、武蔵野線、東北本線(東京・黒磯間)、常磐線(日暮里・勝田間)、日光線、高崎線、上越線(高崎・石内間)、両毛線(新前橋・前橋間)、吾妻線(渋川・万座・鹿沢口間)、総武本線、京葉線、外房線、内房線、成田線、鹿島線、横須賀線、根岸線、横浜線、中央本線(東京・竜王間)、東海道本線(東京・三島間)、伊東線 *別に定める特急列車を除く(スーパービュー踊り子、成田エクスプレスであるが規程には見当たらない)
    東北本線(八戸・青森間)、津軽線(青森・中小国間)
    仙山線、北上線、奥羽本線(秋田・盛岡間) *仙山線、北上線には現在列車の設定はない
    磐越西線(郡山・喜多方間) *現在定期列車の設定はない
    白新線、羽越本線(新発田・秋田間)
    大阪環状線、関西本線(新今宮・天王寺間)、阪和線(天王寺・和歌山間)、紀勢本線(和歌山・新宮間)
    奈良線、関西本線(木津・八尾間、八尾・杉本町間) *現在列車の設定はない
    東海道本線(京都・神戸間)、山陽本線(神戸・姫路間)、福知山線、播但線、山陰本線(京都・浜坂間)、舞鶴線
    北陸本線(金沢・津幡間)、七尾線
    JR九州内各線
    海峡線、江差線(木古内・五稜郭間)、函館本線(五稜郭・函館間)
    (2) 宇野線(岡山・茶屋町間)、本四備讃線、予讃線のJR西日本内またはJR西日本とJR四国にまたがる50キロ以内の停車駅相互間 (立席・自由席特急券のみ)
    (3) JR四国の50キロ以内の停車駅相互間(25キロ超50キロまでの指定席特急券を除く)
    (4) JR東海の次の区間
    関西本線・紀勢本線(名古屋・亀山・新宮間、伊勢鉄道経由で特急券を発売するときを含む)、身延線、飯田線、高山本線(岐阜・猪谷間)、中央本線(多治見・塩尻間)の50キロ以内の停車駅相互間 (立席・自由席特急券のみ)
    御殿場線(松田・沼津間)の30キロ以内の停車駅相互間
    東海道本線三島・静岡間、静岡・浜松間、豊橋・名古屋間の51キロ以上の停車駅相互間
    (5) 博多南線の博多・博多南相互間 (自由席特急券のみ)
    (6) 上越線の越後湯沢・ガーラ湯沢相互間 (自由席特急券のみ)
    (7) JR北海道((1)サの区間を除く)の150キロ以内の停車駅相互間

    また57条の4の特定の普通急行券の発売区間は、基準規程97条の4に以下の通り定められている。 2006年10月現在普通急行は6列車しかなく、下記の特定区間に該当するのは「はまなす」の札幌・南千歳間など数区間だけである。 その他の区間に列車は設定されていないが、特定の特急料金が適用されている区間との整合性をとるための規定だろう。

    (1) JR北海道・JR九州の50キロ以内の停車駅相互間
    (2) JR四国の50キロ以内の停車駅相互間
    (3) 門司港/下曽根・博多間、吉松・鹿児島中央間の50キロ以内を除く停車駅相互間
    (4) 鹿児島本線(博多・吉塚間)、篠栗線、筑豊本線(桂川・直方間)の25キロ以内を除く停車駅相互間
    (5) 国分・鹿児島中央間、霧島神宮・重富間、吉松・隼人間)の25キロ以内を除く停車駅相互間
    (6) 関西本線・紀勢本線(名古屋・亀山・新宮間、伊勢鉄道経由で急行券を発売するときを含む)、御殿場線(松田・沼津間)、身延線、飯田線、高山本線(岐阜・猪谷間)、中央本線(多治見・塩尻間)の30キロ以内の停車駅相互間
    (7) 山手線、赤羽線、南武線、武蔵野線、東北本線(東京・黒磯間、八戸・青森間)、常磐線(日暮里・勝田間)、日光線、高崎線、上越線(高崎・石内間)、両毛線(新前橋・前橋間)、吾妻線(渋川・万座・鹿沢口間)、総武本線、京葉線、外房線、内房線、成田線、鹿島線、横須賀線、根岸線、横浜線、中央本線(東京・竜王間)、東海道本線(東京・熱海間)、伊東線、白新線、羽越本線(新発田・秋田間)、仙山線、北上線、磐越西線(郡山・喜多方間)、奥羽本線(秋田・盛岡間)、津軽線(青森・中小国間)、海峡線、江差線(木古内・五稜郭間)、函館本線(五稜郭・函館間)の50キロ以内の停車駅相互間

    複雑な急行料金体系

    旅規57条、57条の3及び57条の4を受けて、旅規125条は、急行料金を表10のとおり定めている。 特急料金に関する旅規(約款)と基準規程(内規)の記載は、統一性を欠いていて、きわめてわかり難く、できる限り簡略にまとめたつもりだが、このように複雑な体系となっている。

    上述したとおり旅規57条の3第2項の「特定の特別急行料金による特別急行券」を発売する区間の指定は、基準規程97条の2に譲られているが、旅規125条1号ロの(ロ)、(ハ)、(ニ)及び(ホ)では、「第57条の3第2項の規定により発売する場合」の特急料金として、規程97条の2、1号に定められた発売区間だけを、会社ごとの区分で表示している。 基準規程129条の2、1項には、基準規程97条の2の2号から7号までの「特定の特別急行料金による特別急行券」と旅規57条の3、4項の新在直通区間(山形・秋田「新幹線」)の特急料金が定められている。 また旅規57条の3、5項の鹿児島本線と九州新幹線の特急列車の乗継ぎの特急料金は、基準規程129条の2、4項で規定され、「急行券の発売」(旅規57条、57条の3、基準規定97条の2)に記載されていないJR九州の特定区間の特急料金が基準規程129条の2、2項に、いわて銀河鉄道と青い森鉄道を経由する特急料金が同条3項に記載されている。 旅規の範囲内で、旅客にとって有利となる取扱は、基準規程で定めるという思想なのだろうが、特急料金のような基本的条項は、すべて約款(旅規本文)に、わかり易く記載すべきである。

    表10 急行料金体系
    区分 料金
    新幹線 指定席特急料金 JR東日本・JR東海・JR西日本(除「のぞみ」) 別表第2号ツ、ナ、ラ及びムに定める料金 a)(規則125条1号イ、(イ)a)
    JR九州 別表第2号ウに定める料金(規則125条1号イ、(イ)b)
    「のぞみ」 別表第2号ネに定める料金 a)(規則125条1号イ、(イ)c)
    「のぞみ」と「ひかり」・「こだま」の乗り継ぎ 全区間に対する別表第2号ツに定める額+(「のぞみ」指定席を使用する区間に対する別表第2号ネに定める額−同区間に対する別表第2号ツに定める額) a)(規則125条1号イ、(イ)d)
    立席(自由席)特急料金 JR東日本・JR東海・JR西日本 別表第2号ツ、ネ、ナ、ラ、及びムに定める料金から510円を低減した額(規則125条1号イ、(ロ)a、(ハ)a)
    JR九州 別表第2号ウに定める料金から500円を低減した額(規則125条1号イ、(ロ)b、(ハ)b)
    「のぞみ」と「ひかり・こだま」の乗り継ぎ 全区間に対する別表第2号ツに定める額+「のぞみ」に立席扱いで(自由席に)乗車する区間に対する別表第2号ネに定める額−同区間に対する別表第2号ツに定める額−510円(規則125条1号イ、(ロ)c、(ハ)c)
    特定特急料金 隣接駅間(除く九州新幹線)及び新駅設置以前の隣接駅間 50キロメートル以下: 840円(東京・大宮間:1,040円、JR西日本・JR九州内:830円)
    50キロメートル超:950円(JR西日本内:940円)
    (規則125条1号イ、(ニ)a)
    「のぞみ」の停車駅相互間 立席(自由席)特急料金−(「のぞみ」の自由席に乗車する区間に対する別表第2号ネに定める額−同区間に対する別表第2号ツに定める額)(規則125条1号イ、(ニ)b)
    盛岡・八戸間 別表第2号ツ、ネ、ナ、ラ、及びムに定める料金から510円を低減した額(規則125条1号イ、(ニ)c)
    新幹線以外 「A特急料金」:下記以外の特別急行料金 指定席特急料金 (表A) a)(規則125条1号ロ、(イ)a)
    営業キロ -50キロ -100キロ -150キロ -200キロ -300キロ -400キロ -600キロ 601キロ-
    料金 1,240円 1,660円 2,290円 2,610円 2,820円 3,030円 3,340円 3,660円
    「スーパービュー踊り子」の101-150キロの区間:2180円 *旅規125条、規程129条の2に定められていない
    立席(自由席)特急料金 表Aに定める料金から510円を低減した額(規則125条1号ロ、(イ)b)
    特定特急料金 盛岡・秋田間の停車駅相互間:表1に定める料金から510円を低減した額(規則125条1号ロ、(イ)a(a))
    その他(水戸・原ノ町間、鳥取・出雲市間、米子・益田間の101キロ以上の区間):1260円(規則125条1号ロ、(イ)a(b))
    「B特急料金」:規則57条の3、2項(規程97条の2、1号)の規定により発売する場合で下記以外の特別急行料金 指定席特急料金 (表B)(規程97条の2、2号) a)(規則125条1号ロ、(ロ)a)
    営業キロ -50キロ -100キロ -150キロ -200キロ -300キロ -400キロ 401キロ-
    料金 1,140円 1,460円 1,880円 2,190円 2,400円 2,610円 2,930円
    立席(自由席)特急料金 表Bに定める料金から510円を低減した額(規則125条1号ロ、(ロ)b)
    特定特急料金 1260円(規則125条1号ロ、(ロ)c)
    JR東日本線(除「スーパー ビュー踊り子」「成田エクスプレス」)、JR北海道海峡線・江差線(木古内・五稜郭間)・函館本線(五稜郭・函館間)内相互発着 指定席特急料金 (表C) a)(規則125条1号、ロ、(ハ)a)
    営業キロ -50キロ -100キロ -150キロ -200キロ -300キロ -400キロ 401キロ-
    料金 1,010円 1,410円 1,810円 2,190円 2,400円 2,610円 2,930円
    東武直通特急のJR東日本区間:1010円(別途東武の特急料金が必要)*基準規定に定められているか不明
    立席(自由席)特急料金 表Cに定める料金から510円を低減した額(規則125条1号、ロ、(ハ)b)
    JR西日本線内相互発着 指定席特急料金 (表D) a)(規則125条1号、ロ、(ニ)a)
    営業キロ -50キロ -100キロ -150キロ -200キロ -300キロ -400キロ 401キロ-
    料金 1,140円 1,450円 1,870円 2,190円 2,390円 2,610円 2,920円
    立席(自由席)特急料金 表Dに定める料金から510円を低減した額(規則125条1号、ロ、(ニ)b)
    特定特急料金 1260円
    JR九州線内相互発着 指定席特急料金 (表E) b)(規則125条1号、ロ、(ホ、a(a))
    営業キロ -25キロ -50キロ -100キロ -150キロ -200キロ -300キロ -400キロ 401キロ-
    料金 800円 1,100円 1,420円 1,870円 2,180円 2,390円 2,600円 2,920円
    立席(自由席)特急料金 表Eに定める料金から500円を低減した額(規則125条1号、ロ、(ホ、a(b))
    「ゆふDX」の展望席 指定席特急料金 (表F) (規則125条1号、ロ、(ホ)b)
    営業キロ -25キロ -50キロ -100キロ -150キロ -200キロ
    料金 1,000円 1,300円 1,620円 2,070円 2,380円
    岡山・児島、宇多津、丸亀間(規程97条の2、2号) 立席(自由席)特急料金 530円(規程129条の2、1号) 
    JR四国内(規程97条の2、3号) 指定席特急料金 JR四国内(規程97条の2、3号):25キロまで1020円 a)(規程129条の2、2号ア)
    立席(自由席)特急料金 25キロまで310円、50キロまで510円(規程129条の2、2号イ) 
    名古屋・亀山・新宮間、富士・甲府間、豊橋・辰野間、岐阜・猪谷間、多治見・塩尻間(規程97条の2、4号ア) 立席(自由席)特急料金 30キロまで310円、50キロまで630円(規程129条の2、3号ア) 別途伊勢鉄道の特急料金(310円)が必要
    松田・沼津間の30キロ以内の区間(規程97条の2、4号イ) 指定席特急料金 820円 a)(規程129条の2、3号イ、(ア))
    立席(自由席)特急料金 310円(規程129条の2、3号イ、(イ))
    三島・静岡間、静岡・浜松間、豊橋・名古屋間の51キロ以上の区間(規程97条の2、4号ウ) 指定席特急料金 950円(規程129条の2、3号ウ)
    博多・博多南間(規程97条の2、5号) 自由席特急料金 100円(規程129条の2、4号)
    越後湯沢・ガーラ湯沢間(規程97条の2、6号) 指定席・自由席特急料金 100円(規程129条の2、5号)
    JR北海道の150キロ以内の区間(規程97条の2、7号) 指定席特急料金 (表G) a)(規程129条の2、7号ア)
    営業キロ -25キロ -50キロ -100キロ -150キロ
    料金 820円 1,110円 1,610円 2,260円
    立席(自由席)特急料金 表Gに定める料金から510円を低減した額
    新在直通区間(山形・秋田「新幹線」)(規則57条の3、4項) 指定席特急料金 (表H) c)(規程129条の2、6号ア)
    営業キロ -50キロ -100キロ -150キロ
    料金 870円 1,170円 1,600円
    立席(自由席)特急料金 表Hに定める料金から360円を低減した額
    門司港/下曽根・博多間、吉松/霧島神宮・鹿児島中央間(除25キロ以内) 指定席特急料金 1000円 b)(規程129条の2、2項1号ア)
    立席(自由席)特急料金 500円(規程129条の2、2項1号イ)
    博多・直方間(除25キロ以内) 指定席特急料金 900円 b)(規程129条の2、2項2号ア)
    立席(自由席)特急料金 400円(規程129条の2、2項2号イ)
    国分・鹿児島中央間、霧島神宮・重富間、吉松・隼人間(除25キロ以内) 指定席特急料金 800円 b)(規程129条の2、2項3号ア)
    立席(自由席)特急料金 300円(規程129条の2、2項3号イ)
    IGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道を経由する特急料金 指定席特急料金 (表I) a)(規程129条の2、3項2号)
    営業キロ -300キロ -400キロ -600キロ 601キロ-
    料金 1,820円 2,030円 2,340円 2,660円
    別途IGRいわて銀河鉄道の特急料金(490円)と青い森鉄道の特急料金(250円)が必要
    立席(自由席)特急料金 表Iに定める料金から510円を低減した額
    新幹線・在来線乗り継ぎ 鹿児島本線と九州新幹線の特急列車の乗継ぎ(規則57条の3、5項) 指定席特急料金 (表J) b)(規程129条の2、4項1号)
    在来線 営業キロ地帯 新八代から
    新幹線 -25キロ -50キロ -100キロ -150キロ -200キロ -300キロ
    新水俣・出水・川内 2,380円 2,620円 2,870円 3,230円 3,480円 3,650円
    鹿児島中央 2,960円 3,200円 3,450円 3,810円 4,060円 4,230円
    立席(自由席)特急料金 表Jに定める料金から500円を低減した額(規程129条の2、4項1号)
    普通急行 下記を除く区間 (表J)(規則125条の2号)
    営業キロ -50キロ -100キロ -150キロ -200キロ 201キロ-
    料金 530円 730円 950円 1,050円 1,260円
    JR北海道・JR九州の50キロ以内(規程97条の4、1号) 25キロまで300円、50キロまで500円(規程129条の4、1号)
    JR四国の50キロ以内(規程97条の4、2号) 25キロまで310円、50キロまで510円(規程129条の4、2号)
    門司港/下曽根・博多間、吉松・鹿児島中央間(除50キロ以内)(規程97条の4、3号) 500円(規程129条の4、3号)
    博多・直方間(除25キロ以内)(規程97条の4、4号) 400円(規程129条の4、4号)
    国分・鹿児島中央間、霧島神宮・重富間、吉松・隼人間(除25キロ以内)(規程97条の4、5号) 300円(規程129条の4、5号)
    名古屋・亀山・新宮間、富士・甲府間、豊橋・辰野間、岐阜・猪谷間、多治見・塩尻間の30キロ以内(規程97条の4、6号) 310円(規程129条の4、6号)
    山手線、赤羽線、南武線、武蔵野線、東北本線(東京・黒磯間、八戸・青森間)、常磐線(日暮里・勝田間)、日光線、高崎線、上越線(高崎・石内間)、両毛線(新前橋・前橋間)、吾妻線(渋川・万座・鹿沢口間)、総武本線、京葉線、外房線、内房線、成田線、鹿島線、横須賀線、根岸線、横浜線、中央本線(東京・竜王間)、東海道本線(東京・熱海間)、伊東線、白新線、羽越本線(新発田・秋田間)、仙山線、北上線、磐越西線(郡山・喜多方間)、奥羽本線(秋田・盛岡間)、津軽線(青森・中小国間)、海峡線、江差線(木古内・五稜郭間)、函館本線(五稜郭・函館間)の50キロ以内(規程97条の4、7号) 500円(規程129条の4、6号)
    a) 閑散期(第57条の3第1項第1号の規定により発売するもの)は200円引き、繁忙期(同条第1項第2号の規定により発売するもの)は200円増し。 指定席特別車両券(A)、寝台券又はコンパートメント券と同時に(同条第3項の規定により)発売するものは、510円引き
    b) 閑散期(第57条の3第1項第1号の規定により発売するもの)は200円引き。指定席特別車両券(A)、寝台券又はコンパートメント券と同時に(同条第3項の規定により)発売する場合は、500円引き
    c) 閑散期(第57条の3第1項第1号の規定により発売するもの)は140円引き、繁忙期(同条第1項第2号の規定により発売するもの)は140円増し。 指定席特別車両券(A)、寝台券又はコンパートメント券と同時に(同条第3項の規定により)発売するものは、360円引き

    在来線の特急料金は、営業キロ地帯別に決められているが、その料金表が上記のとおり7種類もあるのに驚く(新在直通区間及び鹿児島本線と九州新幹線の特急列車の乗継ぎを除く)。 さらに、新幹線の特急料金は、「別表第2号の各表に定める料金」として三角表で区間ごとに個別に定められていて、計算の一般ルールを明記していない[11]。 図3のグラフは、三角表で区間ごとに定められている特急料金と営業キロとの関係をプロットしたものである。

    図3 新幹線の指定席特急料金(通常期)

    図3のグラフから、新幹線の指定席特急料金を、営業キロ地帯ごとに区分するとおおむね表10のとおりになる。 しかし、表11に示すように、多くの例外が存在する。
     
    表11 新幹線の対キロ特急料金(指定席通常期)
    営業キロ地帯 ひかり・こだま のぞみ JR東日本 JR九州 例外
    1-100 2,190 a) 2,390 b) 2,300 2,180 a) 京都・新神戸:2,490円 b) 東京・上野〜小山、熊谷〜本庄早稲田:2,500円
    101-200 c) 2,920 d) 3,120 e) 3,030 2,910 c) 東京・熱海〜三島、品川・三島:2,190円 d) 京都・姫路:3,220円 e) 上野・宇都宮、高崎:2,710円、東京・宇都宮、高崎:2,910円、東京・那須塩原〜新白河、上毛高原〜越後湯沢、軽井沢〜上田:3,230円
    201-300 3,760 f) 3,960 g) 3,880 - f) 京都・岡山〜福山:4,160円、名古屋・姫路:4,160円、g) 東京・郡山〜福島、浦佐〜燕三条、長野:4,080円
    301-400 4,490 h) 4,690 i) 4,610 - h) 京都・広島:4,790円、名古屋・岡山:4,890円 i) 東京・仙台〜古川、新潟:4,810円
    401-500 4,920 j) 5,220 k) 5,130 - j) 名古屋・福山、京都・徳山:5,320円 k) 東京・くりこま高原〜新花巻:5,330円
    501-600 5,240 l) 5,540 m) 5,450 - l) 京都・新山口〜小倉:5,640円 m) 東京・盛岡〜二戸:5,650円
    601-700 5,650 n) 6,150 o) 5,800 - n) 新大阪・博多:5,540円、京都・博多:6,050円 o) 東京・八戸:6,000円
    701-800 6,170 6,670 - -  
    801-900 6,710 7,210 - -  
    901-1000 7,230 7,830 - -  
    1001-1100 7,760 8,360 - -  
    1101-1200 8,280 8,880 - -  

    これらの例外については、次のような調整の結果であると推定できる。

    特急券の分割購入

    運賃と同様、特急料金にも分割購入の問題がある。新幹線の自由席を利用する場合、分割購入したほうが有利になる区間は、表11に示すように、42区間に及ぶ。
     
    表12 分割購入が有利な区間(新幹線)
    路線 区間 直通料金 分割料金 分割区間A 区間A料金 分割区間B 区間B料金
    東海道 三島・掛川 2,410 1,790 三島・静岡 950 静岡・掛川 840
    三島・浜松 2,410 1,900 三島・静岡 950 静岡・浜松 950
    新富士・浜松 2,410 1,790 新富士・静岡 840 静岡・浜松 950
    静岡・豊橋 2,410 1,790 静岡・浜松 950 浜松・豊橋 840
    浜松・名古屋 2,410 1,790 浜松・豊橋 840 豊橋・名古屋 950
    豊橋・岐阜羽島 2,410 1,790 豊橋・名古屋 950 名古屋・岐阜羽島 840
    岐阜羽島・京都 2,410 1,790 岐阜羽島・米原 840 米原・京都 950
    米原・新大阪 2,410 1,790 米原・京都 950 京都・新大阪 840
    山陽 福山・広島 2,410 1,770 福山・三原 830 三原・広島 940
    三原・新岩国 2,410 1,770 三原・広島 940 広島・新岩国 830
    東北 小山・那須塩原 1,790 1,680 小山・宇都宮 840 宇都宮・那須塩原 840
    宇都宮・新白河 1,790 1,680 宇都宮・那須塩原 840 那須塩原・新白河 840
    那須塩原・郡山 1,790 1,680 那須塩原・新白河 840 新白河・郡山 840
    新白河・福島 1,790 1,680 新白河・郡山 840 郡山・福島 840
    郡山・白石蔵王 1,790 1,680 郡山・福島 840 福島・白石蔵王 840
    福島・仙台 1,790 1,680 福島・白石蔵王 840 白石蔵王・仙台 840
    白石蔵王・古川 1,790 1,680 白石蔵王・仙台 840 仙台・古川 840
    仙台・くりこま高原 1,790 1,680 仙台・古川 840 古川・くりこま高原 840
    くりこま高原・水沢江刺 1,790 1,680 くりこま高原・一ノ関 840 一ノ関・水沢江刺 840
    くりこま高原・北上 1,790 1,680 くりこま高原・一ノ関 840 一ノ関・北上 840
    一ノ関・新花巻 1,790 1,680 一ノ関・北上 840 北上・新花巻 840
    水沢江刺・新花巻 1,790 1,680 水沢江刺・北上 840 北上・新花巻 840
    北上・盛岡 1,790 1,680 北上・新花巻 840 新花巻・盛岡 840
    新花巻・いわて沼宮内 1,790 1,680 新花巻・盛岡 840 盛岡・いわて沼宮内 840
    盛岡・二戸 1,790 1,680 盛岡・いわて沼宮内 840 いわて沼宮内・ニ戸 840
    いわて沼宮内・八戸 1,790 1,680 いわて沼宮内・ニ戸 840 二戸・八戸 840
    上越 上野・熊谷 1,790 1,680 上野・大宮 840 大宮・熊谷 840
    大宮・本庄早稲田 1,790 1,680 大宮・熊谷 840 熊谷・本庄早稲田 840
    大宮・高崎 1,790 1,680 大宮・熊谷 840 熊谷・高崎 840
    熊谷・上毛高原 1,790 1,680 熊谷・高崎 840 高崎・上毛高原 840
    本庄早稲田・上毛高原 1,790 1,680 本庄早稲田・高崎 840 高崎・上毛高原 840
    高崎・越後湯沢 1,790 1,680 高崎・上毛高原 840 上毛高原・越後湯沢 840
    上毛高原・浦佐 1,790 1,680 上毛高原・越後湯沢 840 越後湯沢・浦佐 840
    越後湯沢・長岡 1,790 1,680 越後湯沢・浦佐 840 浦佐・長岡 840
    浦佐・燕三条 1,790 1,680 浦佐・長岡 840 長岡・燕三条 840
    長岡・新潟 1,790 1,680 長岡・燕三条 840 燕三条・新潟 840
    北陸 熊谷・安中榛名 1,790 1,680 熊谷・高崎 840 高崎・安中榛名 840
    本庄早稲田・安中榛名 1,790 1,680 本庄早稲田・高崎 840 高崎・安中榛名 840
    高崎・軽井沢 1,790 1,680 高崎・安中榛名 840 安中榛名・軽井沢 840
    安中榛名・佐久平 1,790 1,680 安中榛名・軽井沢 840 軽井沢・佐久平 840
    軽井沢・上田 1,790 1,680 軽井沢・佐久平 840 佐久平・上田 840
    佐久平・長野 1,790 1,680 佐久平・上田 840 上田・長野 840

    東海道・山陽新幹線では、特定特急券が発売される隣接2区間の営業キロが100キロを超える場合は、分割したほうが得である。分割購入による節減額は、510円から640円であり、運賃の分割購入以上の大きな金額になる。また、東北・上越・北陸新幹線では、100キロまでの非隣接駅間の特急料金が50キロまでの特定特急料金と比べ高く設定されているため、隣接する2特定区間を乗車するほとんどのケースで、中間駅で分割したほうが安くなる。

    東海道・山陽新幹線では、逆転が生じる100キロ以上の区間の自由席特急料金を東京・三島間のように100キロまでの料金にあわせるべきである。新幹線の特急料金は、区間ごとに個別に設定しているのだから、フレキシブルに対応できるはずだ。東北・上越・北陸新幹線でも、100キロ以内の自由席特急料金を見直すべきである。

    在来線の自由席特急券も、次のように分割購入が有利となる区間がある。
     

    表13 分割購入が有利な区間(在来線)
    ケース 分割例
    A 遠距離逓増の特急料金 札幌・東室蘭(150キロまで、1,760円)>札幌・南千歳(50キロまで、600円)+南千歳・東室蘭(100キロ まで、1,100円)
    B 不適切なキロ刻み 新得・池田(100キロまで、1,100円)>新得・帯広(50キロまで、600円)+帯広・池田(25キロまで、 300円)
    尾鷲・新宮(100キロまで、1,110円)>尾鷲・熊野市(50キロまで、630円)+熊野市・新宮(30キロまで、310円)
    下呂・飛騨古川(100キロまで、1,110円)>下呂・高山(50キロまで、630円)+高山・飛騨古川(30キロまで、310円)
    C 一部区間の割安な特定料金 土浦・原ノ町(300キロまで、2,310円=A特急料金)>土浦・水戸(50キロまで、500円)+水戸・原ノ町(171.6キロ特定、1.260円)
    鳥取・大田市(200キロまで、2,100円=A特急料金)>鳥取・出雲市(154.3キロ特定、1.260円)+出雲市・大田市(50キロまで、730円)
    門司港・久留米(150キロまで、1,370円)>門司港・博多(78.2キロ特定、500円)+博多・久留米(50キロまで、600円)
    宮崎・鹿児島中央(150キロまで、1,370円)>宮崎・国分(100キロまで、920円)+国分・鹿児島中央(33.7キロ特定、300円)

    ここに分割例として取り上げた区間は、多くの旅行者が利用すると思われる区間で、決して特殊な区間ではない。料金体系の矛盾によってこのような事態が発生するのである。

    ケースAのJR北海道の自由席特急料金は、50キロまで600円、100キロまで1,100円に対し、150キロまでが1,750円と遠距離逓増になっていて、100キロと50キロで分割するほうが安くなる。JR北海道の遠距離逓増はきわめて例外的なケースであるが、自由席特急料金が営業キロに関係なく指定席特急料金から一律に510円(JR九州は500円)を差し引いているため、ほとんど遠距離逓減効果が働いていないことも、ケースBやCに見るように分割による料金逆転が起こる理由である。ケースBでは、25キロ、30キロまでの自由席特急料金の設定に、50キロ以上のキロ刻みが対応していないことにより、75キロまたは80キロまでの区間の料金が逆転する。ケースCでは、規則57条1号ニの「特定特急券」や基準規定97条の2の営業キロの限定がない割安な特急料金が全体の料金体系との整合性を無視して設定されているためである。

    新幹線・在来線とも、分割による逆転現象の矛盾解消には、急行料金体系の全面的な見直しが必要だろう。 しかし、相変わらず小手先だけの改訂が行われ、逆転区間が拡大している[12]


    [1] 旅客運賃の計算方法は、対キロ制対キロ区間制の他に、区間制(ほぼ等距離の複数の区間に分割し、通過する区間の数に応じて運賃を計算)と均一制(全線均一運賃)がある。それぞれの運賃計算方法を採用して いる鉄道事業者は次の通り(2003年現在)。 
    運賃計算法 適用事業者
    対キロ制 JR6社、茨城交通、鹿島臨海鉄道、箱根登山鉄道(鉄道線)、立山黒部貫光、松本電鉄、上田交通、 しなの鉄道、大井川鐵道、遠州鉄道、島原鉄道、熊本電気鉄道
    対キロ区間制 大手私鉄15社、函館市、札幌市(地下鉄)、北海道ちほく高原鉄道、十和田観光電鉄、弘南鉄道、 津軽鉄道、青い森鉄道、三陸鉄道、IGRいわて銀河鉄道、くりはら田園鉄道、仙台市、阿武隈急行、 由利高原鉄道、秋田内陸縦貫鉄道、山形鉄道、福島交通、会津鉄道、関東鉄道、鹿島鉄道、日立電鉄、 野岩鉄道、真岡鉄道、上信電鉄、上毛電気鉄道、わたらせ渓谷鐵道、秩父鉄道、埼玉新都市交通、 埼玉高速鉄道、総武流山電鉄、銚子電気鉄道、小湊鉄道、新京成電鉄、北総鉄道、いすみ鉄道、 千葉都市モノレール、東葉高速鉄道、東京都(地下鉄)、東京地下鉄、東京臨海高速鉄道、 多摩都市モノレール、江ノ島電鉄、横浜市、伊豆箱根鉄道、湘南モノレール、横浜新都市交通、 北越急行、富山地方鉄道、万葉線、黒部峡谷鉄道、北陸鉄道、のと鉄道、えちぜん鉄道、 福井鉄道(鉄道)、富士急行、長野電鉄、神岡鉄道、樽見鉄道、明智鉄道、長良川鉄道、静岡鉄道、 岳南鉄道、伊豆急行、天竜浜名湖鉄道、名古屋市、豊橋鉄道(鉄道)、愛知環状鉄道、桃花台新交通、 東海交通事業、名古屋ガイドウェイバス、三岐鉄道、伊勢鉄道、近江鉄道、信楽高原鉄道、 京都市、北近畿タンゴ鉄道、大阪市、水間鉄道、北大阪急行電鉄、大阪府都市開発、大阪高速鉄道、 山陽電気鉄道、神戸市、能勢電鉄、神戸電気鉄道、神戸高速鉄道、三木鉄道、北条鉄道、智頭急行、 紀州鉄道、若桜鉄道、一畑電気鉄道、水島臨海鉄道、井原鉄道、広島電鉄(鉄道)、広島高速交通、 錦川鉄道、阿佐海岸鉄道、高松琴平電気鉄道、伊予鉄道(鉄道)、土佐くろしお鉄道、福岡市、 北九州高速鉄道、甘木鉄道、平成筑豊鉄道、松浦鉄道、熊本市、南阿蘇鉄道、くま川鉄道、 肥薩おれんじ鉄道、高千穂鉄道、沖縄都市モノレール
    区間制 箱根登山鉄道(鋼索線)、叡山電鉄、近鉄(生駒鋼索線)、土佐電気鉄道、筑豊電気鉄道
    均一制 札幌市(軌道)、青函トンネル記念館、筑波観光鉄道、舞浜リゾートライン、山万、芝山鉄道、 東京都(軌道、モノレール)、東急(世田谷線、こどもの国線)、御岳登山鉄道、高尾登山鉄道、 伊豆箱根鉄道(鋼索線)、大山鋼索鉄道、立山開発鉄道、福井鉄道(軌道)、関西電力、 豊橋鉄道(軌道)、比叡山鉄道、京福電気鉄道、丹後海陸交通、鞍馬寺、 嵯峨野観光鉄道、阪堺電気軌道、大阪港トランスポートシステム、六甲摩耶鉄道、 神戸市都市整備公社、神戸新交通、北神急行電鉄、岡山電気軌道、広島電鉄(軌道)、 スカイレールサービス、屋島登山鉄道、四国ケーブル、伊予鉄道(軌道)、土佐電気鉄道(中心部)、 帆柱ケーブル、長崎電気軌道、岡本製作所、鹿児島市
    [2] 名鉄各線(岐阜市内線、田神線の均一運賃区間を除く)の擬制キロ換算率は次の通り。 
    換算率 適用路線
    1.00 名古屋本線
    1.15 西尾線、蒲郡線、築港線、常滑線、河和線、津島線、犬山線、各務原線、小牧線、瀬戸線、豊田線  
    1.25 豊川線、三河線、知多新線、尾西線、竹鼻線、羽島線、広見線、美濃町線、揖斐線
    [3] 地方交通線は、1980年12月公布・施行された国鉄経営再建促進特別措置法に基づき、「適切な措置を講じても収支の均衡が困難な路線」として指定されたものである(その中で廃止してバスに転換する路線=特定地方交通線を選定することも定められた)。 1981年3月の国鉄経営再建促進特別措置法施行令によって、地方交通線の基準は、キロ当たりの旅客輸送密度が1日8000人未満の路線とされ、81年4月175路線10,166.5キロが指定された。 その結果、1984年4月の運賃改訂から地方交通線に割増運賃を徴収することになったのである。
    [4] 擬制キロが適用された路線・区間・換算率は次のとおり。 換算率1は開業当初の、換算率2は1961年4月6日から適用されたもの。
    開業日 路線 区間 換算率1 換算率2
    1960/03/22 指宿線 山川−西頴娃 1.75 1.2
    1960/04/17 能登線 鵜川−宇出津 1.6 1.3
    1960/11/01 岩日線 川西−河山 1.5 1.2
    1960/12/15 越美北線 南福井−勝原 1.46 1.3
    なおこの擬制キロは、指宿線への適用開始時に旅規14条の「鉄道営業キロ程」を「鉄道営業キロ程(別に旅客営業キロ程を定めた場合は、そのキロ程。以下同じ。)」と改訂し、国鉄公示により各線区の駅間ごとに旅客営業キロ程を定めた。 指宿線、能登線、岩日線の一部の区間には、同時に擬制キロによる高額な運賃を緩和するために、5円刻みの特定運賃も定められた。 1961年4月6日の運賃改訂で300キロまでの賃率を2.4円から2.75円に値上げしたため、従来の駅間運賃を維持するように換算率を緩和したようだ。 同時に特定運賃適用区間の削除・追加も行われた。
    [5] そのほか、東京地下鉄と大阪市営地下鉄にも、営業キロと運賃計算キロが異なる区間がある。 「乗車記録データベース」脚注7参照。
    [6] 旅規78条に「別表第1号に掲げる駅相互間の2等大人片道普通旅客運賃は、前条の規定にかかわらず、同表に掲げる額とする。」と定められ、従来擬制キロが適用されていた東京・大阪付近の賃率による運賃が30円から80円の区間で10円割引いた。 別表1による割引運賃制度は、1966年3月の運賃改訂時に、特定運賃を廃止すると2倍以上の値上げになる28区間だけを限定して2倍相当額に低減した。割引運賃の適用区間を以下に示す。 この区間特定割引運賃は、1969年5月の運賃改訂時に廃止されが、1979年京阪神の私鉄に対抗する区間特定運賃として復活した。
    1961年4月6日施行473区間(大阪附近は、4月25日の大阪環状線開業による追加後のもの)
    (1) 30円→20円
    東京附近
    中野・高田馬場間 東中野・池袋間 東中野・恵比寿間 大久保・板橋間 大久保・巣鴨間 大久保・大塚間
    大久保・目黒間 大久保・五反田間 大久保・御茶ノ水間 大久保・水道橋間 大久保・飯田橋間 新宿・秋葉原間
    新宿・田端間 新宿・駒込間 新宿・巣鴨間 新宿・五反田間 新宿・大崎間 新宿・神田間
    新宿・御茶ノ水間 代々木・板橋間 代々木・秋葉原間 代々木・御徒町間 代々木・上野間 代々木・駒込間
    代々木・巣鴨間 代々木・大塚間 代々木・大崎間 代々木・品川間 代々木・東京間 代々木・神田間
    千駄ケ谷・板橋間 千駄ケ谷・浅草橋間 千駄ケ谷・御徒町間 千駄ケ谷・上野間 千駄ケ谷・駒込間 千駄ケ谷・巣鴨間
    千駄ケ谷・大塚 千駄ケ谷・五反田間 千駄ケ谷・大崎間 千駄ケ谷・有楽町間 千駄ケ谷・東京間 千駄ケ谷・神田間
    信濃町・板橋間 信濃町・両国間 信濃町・浅草橋間 信濃町・御徒町間 信濃町・上野間 信濃町・鶯谷間
    信濃町・巣鴨間 信濃町・大塚間 信濃町・池袋間 信濃町・目黒間 信濃町・五反田間 信濃町・大崎間
    信濃町・新橋間 信濃町・有楽町間 信濃町・東京間 四ツ谷・鶯谷間 四ツ谷・日暮里間 四ツ谷・大塚間
    四ツ谷・池袋間 四ツ谷・目白間 四ツ谷・恵比寿間 四ツ谷・目黒間 四ツ谷・五反田間 四ツ谷・浜松町間
    四ツ谷・新橋間 四ツ谷・有楽町間 市ケ谷・日暮里間 市ケ谷・田端間 市ケ谷・池袋間 市ケ谷・目白間
    市ケ谷・高田馬場間 市ケ谷・恵比寿間 市ケ谷・目黒間 市ケ谷・浜松町間 市ケ谷・新橋間 飯田橋・三河島間
    飯田橋・田端間 飯田橋・駒込間 飯田橋・目白間 飯田橋・高田馬場間 飯田橋・新大久保間 飯田橋・渋谷間
    飯田橋・恵比寿間 飯田橋・田町間 飯田橋・浜松町間 水道橋・駒込間 水道橋・巣鴨間 水道橋・高田馬場間
    水道橋・新大久保間 水道橋・原宿間 水道橋・渋谷間 水道橋・田町間 御茶ノ水・上中里間 御茶ノ水・尾久間
    御茶ノ水・駒込間 御茶ノ水・巣鴨間 御茶ノ水・大塚間 御茶ノ水・新大久保間 御茶ノ水・原宿間 御茶ノ水・渋谷間
    御茶ノ水・品川間 御茶ノ水・田町間 神田・上中里間 神田・屋久間 神田・駒込間 神田・巣鴨間
    神田・大塚間 神田・原宿間 神田・品川間 東京・上中里間 東京・田端間 東京・駒込間
    東京・巣鴨間 東京・五反田間 東京・大崎間 有楽町・大井町間 有楽町・三河島間 有楽町・田端間
    有楽町・駒込間 有楽町・目黒間 有楽町・五反田間 有楽町・大崎間 新橋・大井町間 新橋・三河島間
    新橋・錦糸町間 新橋・日暮里間 新橋・田端間 新橋・目黒間 新橋・五反田間 浜松町・鶯谷間
    浜松町・日暮里間 浜松町・恵比寿間 浜松町・目黒間 田町・両国間 田町・浅草橋間 田町・御徒町間
    田町・上野間 田町・鶯谷間 田町・渋谷間 田町・恵比寿間 品川・秋葉原間 品川・御徒町間
    品川・原宿間 品川・渋谷間 大崎・新大久保間 五反田・新大久保間 目黒・目白間 目黒・高田馬場間
    目黒・新大久保間 恵比寿・大井町間 恵比寿・池袋間 恵比寿・目白間 恵比寿・高田馬場間 渋谷・大塚間
    渋谷・池袋間 原宿・板橋間 原宿・秋葉原間 原宿・駒込間 原宿・巣鴨間 原宿・大塚間
    新大久保・日暮里間 新大久保・田端間 新大久保・駒込間 高田馬場・上中里間 高田馬場・鶯谷間 高田馬場・日暮里間
    高田馬場・田端間 目白・上中里間 目白・三河島間 目白・上野間 目白・鶯谷間 目白・日暮里間
    池袋・王子間 池袋・三河島間 池袋・秋葉原間 池袋・御徒町間 池袋・上野間 池袋・鶯谷間
    大塚・尾久間 大塚・秋葉原間 大塚・御徒町間 巣鴨・浅草橋間 巣鴨・秋葉原間 駒込・十条間
    駒込・両国間 駒込・浅草橋間 日暮里・板橋間 日暮里・錦糸町間 秋葉原・王子間 秋葉原・南千住間
    浅草橋・上中里間 浅草橋・尾久間    
    大阪附近
    大阪・天王寺間 大阪・寺田町間 大阪・桃谷間 大阪・鶴橋間 大阪・放出間 福島・天王寺間
    福島・寺田町間 福島・桃谷間 福島・鶴橋間 福島・玉造間 野田・天王寺間 野田・寺田町間
    野田・桃谷間 野田・鶴橋間 野田・玉造間 野田・森ノ宮間 野田・片町間 西九条・天王寺間
    西九条・寺田町間 西九条・桃谷間 西九条・鶴橋間 西九条・玉造間 西九条・森ノ宮間 西九条・京橋間
    弁天町・桃谷間 弁天町・鶴橋間 弁天町・玉造間 弁天町・森ノ宮間 弁天町・京橋間 弁天町・桜ノ宮間
    大正・玉造間 大正・森ノ宮間 大正・京橋間 大正・桜ノ宮間 大正・天満間 天王寺・桜ノ宮間
    天王寺・天満間 天王寺・鴫野間 寺田町・桜ノ宮間 寺田町・天満間 寺田町・鴫野間 桃谷・放出間
    玉造・湊町間 森ノ宮・南田辺間 京橋・塚本間 京橋・美章園間 京橋・百済間 京橋・今宮間
    片町・美章園間
    (2) 40円→30円
    東京附近
    新宿・上野間 新宿・鶯谷間 新宿・日暮里間 新宿・品川間 新宿・田町間 新宿・浜松町間
    新宿・新橋間 新宿・有楽町間 新宿・東京間 代々木・鶯谷間 代々木・日暮里間 代々木・田端間
    代々木・田町間 代々木・浜松町間 代々木・新橋間 代々木・有楽町間 千駄ケ谷・日暮里間 千駄ケ谷・田町間
    千駄ケ谷・品川間 千駄ケ谷・田町間 千駄ケ谷・浜松町間 千駄ケ谷・新橋間 信濃町・田端間 信濃町・駒込間
    信濃町・品川間 信濃町・田端間 信濃町・浜松町間 四ツ谷・駒込間 四ツ谷・巣鴨間 四ツ谷・大崎間
    四ツ谷・品川間 四ツ谷・田町間 市ケ谷・駒込間 市ケ谷・巣鴨間 市ケ谷・大塚間 市ケ谷・五反田間
    市ケ谷・大崎間 市ケ谷・品川間 市ケ谷・田町間 飯田橋・大塚間 飯田橋・池袋間 飯田橋・目黒間
    飯田橋・五反田間 飯田橋・大崎間 飯田橋・品川間 水道橋・大塚間 水道橋・池袋間 水道橋・目白間
    水道橋・恵比寿間 水道橋・目黒間 水道橋・五反田間 水道橋・大崎間 水道橋・品川間 御茶ノ水・池袋間
    御茶ノ水・目白間 御茶ノ水・高田馬場間 御茶ノ水・恵比寿間 御茶ノ水・目黒間 御茶ノ水・五反田間 御茶ノ水・大崎間
    神田・池袋間 神田・目白間 神田・高田馬場間 神田・新大久保間 神田・渋谷間 神田・恵比寿間
    神田・目黒間 神田・五反田間 神田・大崎間 東京・大塚間 東京・池袋間 東京・目白間
    東京・高田馬場間 東京・新大久保間 東京・原宿間 東京・渋谷間 東京・恵比寿間 東京・目黒間
    有楽町・巣鴨間 有楽町・大塚間 有楽町・池袋間 有楽町・目白間 有楽町・高田馬場間 有楽町・新大久保間
    有楽町・原宿間 有楽町・渋谷間 有楽町・恵比寿間 新橋・駒込間 新橋・巣鴨間 新橋・大塚間
    新橋・池袋間 新橋・目白間 新橋・高田馬場間 新橋・新大久保間 新橋・原宿間 新橋・渋谷間
    新橋・恵比寿間 浜松町・田端間 浜松町・駒込間 浜松町・巣鴨間 浜松町・大塚間 浜松町・池袋間
    浜松町・目白間 浜松町・高田馬場間 浜松町・新大久保間 浜松町・原宿間 浜松町・渋谷間 田町・日暮里間
    田町・田端間 田町・駒込間 田町・巣鴨間 田町・大塚間 田町・池袋間 田町・目白間
    田町・高田馬場間 田町・新大久保間 田町・原宿間 品川・上野間 品川・鶯谷間 品川・日暮里間
    品川・田端間 品川・駒込間 品川・巣鴨間 品川・大塚間 品川・池袋間 品川・目白間
    品川・高田馬場間 品川・新大久保間 大崎・秋葉原間 大崎・御徒町間 大崎・上野間 大崎・鶯谷間
    大崎・日暮里間 大崎・田端間 大崎・駒込間 大崎・巣鴨間 大崎・大塚間 大崎・池袋間
    大崎・目白間 大崎・高田馬場間 五反田・秋葉原間 五反田・御徒町間 五反田・上野間 五反田・鶯谷間
    五反田・日暮里間 五反田・田端間 五反田・駒込間 五反田・巣鴨間 五反田・大塚間 五反田・池袋間
    五反田・目白間 五反田・高田馬場間 目黒・秋葉原間 目黒・御徒町間 目黒・上野間 目黒・鶯谷間
    目黒・日暮里間 目黒・田端間 目黒・駒込間 目黒・巣鴨間 目黒・大塚間 目黒・池袋間
    恵比寿・秋葉原間 恵比寿・御徒町間 恵比寿・上野間 恵比寿・鶯谷間 恵比寿・日暮里間 恵比寿・田端間
    恵比寿・駒込間 恵比寿・巣鴨間 恵比寿・大塚間 渋谷・秋葉原間 渋谷・御徒町間 渋谷・上野間
    渋谷・鶯谷間 渋谷・日暮里間 渋谷・田端間 渋谷・駒込間 渋谷・巣鴨間 原宿・御徒町間
    原宿・上野間 原宿・鶯谷間 原宿・日暮里間 原宿・田端間 新大久保・御徒町間 新大久保・上野間
    新大久保・鶯谷間 高田馬場・秋葉原間 高田馬場・御徒町間 高田馬場・上野間 目白・秋葉原間 目白・御徒町間
    (3) 50円→40円
    東京附近
    中野・東京間 東中野・上中里間 東中野・新橋間 大久保・王子間 大久保・田町間 大久保・浜松町間
    新宿・南千住間 代々木・尾久間 千駄ケ谷・王子間 信濃町・王子間 市ケ谷・大井町間 飯田橋・十条間
    東京・板橋間 有楽町・板橋間 田町・王子間 品川・上中里間 大崎・板橋間 大崎・三河島間
    大崎・錦糸町間 五反田・板橋間 目黒・両国間 恵比寿・両国間 渋谷・上中里間 渋谷・三河島間
    原宿・王子間 原宿・三河島間 新大久保・大井町間 日暮里・大井町間
    大阪附近
    天王寺・塚本間 寺田町・東淀川間 大阪・湊町間 大阪・平野間 大阪・鶴ケ丘間
    (4) 60円→50円
    東京附近
    田町・板橋間 大崎・王子間 五反田・王子間 五反田・上中里間 五反田・尾久間 目黒・王子間
    目黒・上中里間 目黒・尾久間 恵比寿・尾久間 大塚・大井町間 巣鴨・大井町間
    (5) 70円→60円
    東京附近
    目黒・北千住間 恵比寿・北千住間 大塚・大森間  
    (6) 80円→70円
    東京附近
    五反田・亀有間 目黒・亀有間 恵比寿・亀有間  
    1966年3月5日施行28区間
    (1) 50円→40円
    東京附近
    千駄ヶ谷・駒込間 信濃町・巣鴨間 四ツ谷・大塚間 有楽町・目黒間 目黒・目白間 原宿・駒込間
    池袋・秋葉原間
    大阪附近
    大阪・天王寺間 福島・寺田町間 野田・桃谷間 野田・鶴橋間 西九条・鶴橋間 西九条・玉造間
    弁天町・森ノ宮間 大正・京橋間 新今宮・天満間
    (2) 70円→60円
    東京附近
    浜松町・目白間 浜松町・高田馬場間 田町・池袋間 田町・目白間 品川・巣鴨間 品川・大塚間
    大崎・駒込間 大崎・巣鴨間 五反田・田端間 五反田・駒込間 目黒・日暮里間 目黒・田端間
    [7] JR東日本が分割購入した通勤定期券について連続定期の処置をするのは、磁気定期券だけあり、Suicaには対応していない。 一方、JR西日本は、2区間分割購入のICOCA定期券を発行している。
    [8] 京浜急行は、天空橋・羽田空港間を経路に含む場合140円から180円の割増運賃を設定しているが、天空橋・羽田空港間の運賃(150円)との整合性が取れていないため、天空橋で分割すると安くなる。 とくに、新逗子・羽田空港間など、通しで買うとキロ地帯が1段階上がるケースでは、分割による運賃差額は90円にもなる。
    [9] 鉄道事業法16条で、鉄道事業者は上限運賃について国土交通大臣の認可を受ける必要があり、その上限の範囲内で実際に適用する運賃を国土交通大臣に届け出なければならないと定めている。 これに対し料金は届け出制であるが、新幹線鉄道の特急料金だけは、運賃と同様上限額の認可手続きが必要とされている(鉄道事業法施行規則32条)。
    [10] 旅規187条第1号に「第57条の3第2項の規定による場合の特別急行券の標記は、「B自由席特急券」の例により「B」を冠記して表示する。」と定められていることによる。 しかし、時刻表などでは、基準規程97条の2第1号の区間のみをB特急料金適用区間と表示している。 また、JR北海道内(海峡線等を除く)の特急料金は、「JR北海道のA特急料金」と表示されている。
    [11] 新幹線特急料金を区間制(三角表方式)としたのは、1972年3月の岡山開業時からである。在来線の特急料金は、1960年7月1日施行の旅規改訂時に区間制としたが、1966年3月キロ地帯制に戻った。1964年10月から1966年3月までは、新幹線がキロ地帯制、在来線が区間制と現在とは逆だった。
    [12] JR東海は2005年10月1日、特急・急行料金の改訂を行った。31kmから50kmまでの自由席特急料金630円を適用する区間(岐阜・猪谷間、豊橋・辰野間)に塩尻・多治見間、名古屋・新宮間を追加する一方、30kmまでの自由席特急料金(310円)を従来の塩尻・多治見間、岐阜・猪谷間、名古屋・新宮間から上記の全区間に拡大した。 これにより、新たに下呂・飛騨古川間が逆転区間となり、尾鷲・新宮間の差額が拡大した。

    参考文献
  • 長澤規矩也著、旅の入れぢえ、1964.8.15、真珠書院
  • 長澤規矩也著、大改正 旅の入れぢえ、1967.10.1、真珠書院
  • 築島裕著、鉄道きっぷ博物館、1980.2.15、日本交通公社
  • 国土交通省鉄道局監修、数字で見る鉄道2003、2003.10.22、運輸政策研究機構
  • 近藤喜代太郎・池田和政著、国鉄乗車券類大事典、2004.1.1、JTB
  • 日本国有鉄道百年史 第13巻
  • 旅規改訂にかかわる日本国有鉄道公示(官報情報検索
  • JTB時刻表、JTB運賃表のバックナンバー


  • 改訂履歴
    2003/10/28 運賃計算簡素化への試案に、擬制キロへの換算率等を追加
    2003/11/10 乗車券分割プログラムにより検索した東京−興津間の新子安分割例を追加
    2003/12/20 誤記の訂正(大阪付近の区間特定運賃の設定は1981年ではなく、1979年5月)
    2004/02/26 対キロ制運賃と対キロ区間制運賃の比較を詳述し、大幅に改稿
    2004/07/02 脚注を新設、関連データを追加し、全面的に改稿
    2004/08/28 表5-2(1984年以降の賃率推移)を追加
    2004/12/11 表のスタイルを変更。脚注を追加。路線の開廃等を反映
    2005/08/15 「急行料金体系も複雑だ」を追記、掲載
    2005/11/09 2005年10月1日のJR東海の特急料金改訂を反映して追記
    2006/06/03 東京・大阪の擬制キロ廃止後の区間特定運賃について追記。 距離地帯制とキロ刻み、中央値による運賃計算の記述を再構成
    2006/10/22 目次を設置、「急行料金体系も複雑だ」を「急行料金体系はもっと複雑だ」に変更。 1960年開業の新線の擬制キロについて本文及び脚注4に追記。 東京・大阪の短縮擬制キロ廃止後の区間特定運賃の記載を脚注6に移動。 京急の分割購入について、脚注8に記載。 2006年1月1日現行の「旅客営業取扱基準規程」にあたり、表10など「急行料金体系はもっと複雑だ」を大幅に改訂。 全体を推敲し、誤記を訂正、一部の構成を入れ替え
    2007/02/10 脚注6に、東京・大阪の擬制キロ廃止後の特定運賃適用区間を記載。 脚注11を追加(従来の脚注11は12に)。 全体を推敲し、誤記を訂正
    2007/12/23 「賃率の多様化」の誤記を訂正(1984年4月の賃率は、山手線・大阪環状線内、幹線、地方交通線の3種類。1986年9月の運賃改定で、当時の国電区間の賃率が据え置かれ、4種類となった。)

    初出 2003/10/22
    最終更新 2007/12/23
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